国内外映画祭受賞・出品多数‼
中国新進気鋭女性映画監督が描いた初日本映画
Double Life
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ナ
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Story
一緒に行くはずだったワークショップを夫にキャンセルされた詩織(菊地敦子)は、同僚から紹介された代行業者の淳之介(松岡眞吾)に夫役を依頼。淳之介に満足した詩織は夫に内緒でアパートを借り、彼と疑似夫婦生活を始める。夫とレンタル夫との間を行き来する二重生活を送る中で、詩織は封印したかつての夢や、心の奥底に眠る新たな感情に次第に気づいてゆく……
Cast
菊地 敦子
Atsuko Kikuchi
小柳 詩織 役
コメント
誰もが幾重もの層を持って生きている。
自分に語りかける自分、人に会うときの私、あなたの微笑みの裏側。
そしてその層を抱えながら、ままならぬ人生を歩まなければならないとき、支えとなってくれるもののことを、この役が教えてくれた。
松岡 眞吾
Shingo Matsuoka
木野 淳之介 役
コメント
個人的な好みの映画には豊かな「余白」が多くあると感じています。物語の中で明確に描かれていない「余白」。それを考察とはまた少し違った形、作品としての正しい答えを見つけるのではなく自分勝手に人物の背景や感情などを想像し妄想するような形で映画を楽しむことが好きです。
この『ダブル・ライフ』という作品も余白が多く、登場する人物達の行動や選択も作品内ですべて明確な動機や理由が描かれているわけではありません。
淳之介に関しても一体なにを考え感じているかは表面的にはわからないかもしれません。しかし、演じる上で作品の中の淳之介のその「余白」を埋めて演じきりました。
それはあくまで自分の中の淳之介の答えではないと思っています。
なので観て下さる方それぞれが作品の中の「余白」を自分に想像し楽しんでもらえれば幸いです。
古川 博巳
Hiromi Furukawa
小柳 亮 役
コメント
この映画は多種多様、多くの方々に観ていただきたいです。そして手に触れて、感想を言い合い、お互いの魂のカタチを確認し合っていただけたらと思います。
人生において出会いも別れも正解のカタチは無いと思いますが、この映画が皆さんの道程の確認の手助けになれば良いなと思います。
若狭 ひろみ
Hiromi Wakasa
高橋 久美子 役
コメント
この作品に出てくる女性は考えて、向き合って、答えを出して、優しい。強いんです。相手もちゃんと向き合ってくれる。
そして、気持ちは口に出さなくても体現している映画だと思います。劇場にてご鑑賞いただければ嬉しいです。
浅田 麻衣
Mai Asada
中倉 未咲 役
コメント
未咲役を演じました浅田麻衣です。
私が演じた未咲は、暗い部屋でポツンポツンと落ちていくような、か細い水滴をイメージしていました。
繋がりたい、繋がれない登場人物たちの非常に繊細な感情の動きを優しく描き出した作品だと思っています。
ぜひ、劇場で体感してください。
川口 紗弥加
Sayaka Kawaguchi
西川 なつみ 役
コメント
映画を観ながら、気付けば静かに、自身の心を見つめていました。 脚本を読んだ時、自身の演じた役についても、作品についても、このような映画になると想像していませんでした。
余園園監督と菊地敦子さんが出会い、集われた皆さんでこんな素敵な作品をつくられた。 そこに私も参加させていただくことができた幸運に感謝です。
園園さんの初長編作品。ぜひご覧になっていただきたいです。
Comment
いま自分のいるこの場所がほんとうの自分の居場所ではない、と誰もが一度ならず思い、ふと二重生活を夢見たりするものだが、この映画の登場人物たちのほぼすべては、そういう二重生活にじっさいに足を踏み入れ、夢にまどろみはしたものの、案の定その夢はゆっくりと時間をかけて破れていく。
そうなるとわかっている夢の破綻までの引き延ばされた時間が、この映画をこの上なくロマンチックに仕立て上げる。私自身は、ふだんそういう叙情性を好まないが、この映画がギリギリのところで救われているとすれば、それは作者が破綻そのものにきちんと具体的なまなざしを向けているからだろう。
離婚届や蝶の絵を目の前にして、登場人物たちはダブルライフの儚い夢から覚め、いまここに立ち戻った自分をいまそこで意識しているのだ。結局のところ、ひとつの今とひとつのここと身ひとつがあるばかりなのだ。
万田邦敏(映画監督)
『ダブル・ライフ』は、是枝裕和を継承し、濱口竜介と同時代に生きる、余園園が映し出す女性身体の物語。詩織は「演じること」「触れること」によって自分自身の身体の重心を取り戻す。ダンスする彼女の身体が、複雑な曲線をえがくように歓びに満ちた運動をスクリーンに投影するとき、私たちは深い感動にいざなわれるだろう。
北村匡平(映画研究者/批評家)
何もかも情報、データとしてやり取りされる社会では、
人間さえも交換され、代替可能な存在として振る舞うことになる。
SNS などでの脳だけで繋がる世界から、
身体的なつながりを回復しないと、人はますます孤独になるでしょう。
暗いトンネルを抜けて、蝶のように舞いたいですね。
七里圭(映画監督)
ある種の物語パターンをなぞりながらも通常のメロドラマに回収されないのが、本作の最大の魅力だ。特にヒロインの身体言語は力強いセリフとなり心に沁みる。初の長編と思えない若き監督の手腕が光る一作なのだ。
晏妮(映画研究者/日本映画大学特任教授)
アルゼンチンタンゴダンスの生徒さんとして通っていらっしゃるとっても若く可愛らしく聡明な余園園さんが監督、演出、脚本、編集を全て手掛けらたという作品『ダブル・ライフ』。
一気に鑑賞!すぐにタンゴダンスのパートナーにも勧めてすぐに再鑑賞!翌日には他の生徒さん方々にも是非観て!と皆さんに。
あえて前情報なしに観ましたが、シンプルな映像美に、ネタバレもあるので控えますが、どんどん魅力的に見えてくる主役の女性と仮の夫になるリアリティある繊細な演技、ストーリーに隠された登場人物のそれぞれの想いと選択が、静かに優しく伝わってきました。特にとても意表をついた箇所があるのですが、それは観てのお楽しみに。
何か満たされない不安気な日常の中で、主人公が独自のささやかだけれど自分の心を満たしてくれるかもしれないと選んだ非日常、空気感やその描写のディテールが主人公の心の揺れや迷い、空虚感が丁寧に描かれていました。
私が講師をしているアルゼンチンタンゴダンスは目の前のお相手と繋がることがとても大事な要素であり基本。言葉を交わせずの人と人とのコミュニケーションです。
感覚的なことで説明することは難しいですが、恋愛も人生も生きていく上で大事なことを再認識され、深い部分で何かを伝えてくる才能豊かな余園園さんのそんな素敵な映画に出会えて、とても嬉しく思いました。
是非、多くの皆さんに観てほしいです!!
Sae&JuanCarlos(アルゼンチンタンゴ講師 /銀座リベルタンゴ)
静かな部屋の中に落ちている生活を拾い集めるように、それぞれの心が交差している。
孤独であることを許されたような、不思議な感覚になった。
内藤春(俳優)
リアルライフがフェイクライフなら、主人公のようにフェイクライフに身を置きたくなるかもしれない。その先にどんな現実が待ち構えているのか、そんなことはお構いなしに今を満たして欲しがる彼女を止める術を、私は持ち合わせていない。
瑚海みどり(映画監督・俳優)
ダブルライフを営む人々は皆どこか欠けており、危うくて胸がヒリつきますが、その切実で丁寧な描かれ方にはどこか慈しみや温もりを感じます。 音楽が、そんな世界観を表現する一助になっていれば嬉しいです。
川島陽(ミュージシャン)
社会的、個人的、経験的事情がなくなったとき、人と人はどのようなコミュニケーションができるんだろう。この作品の中に自分を見つけるために、隅々まで何度も観たい。
梅田誠弘(俳優)
Director
余 園園
Enen Yo
2015年北京電影学院を卒業。仕事をしながら、独学で日本語を勉強し、2018年来日。早稲田大学で一年間の日本語プログラムを修了後、2019年東京ビジュアルアーツ映画学科(現映像学科)に通い、2020年立教大学大学院に入学。万田邦敏教授の元で演出を学ぶ。現在映画宣伝の仕事を務めながら、自主映画を作り続けている。
初短編『冷蔵庫泥棒』で第35回東京国際映画祭・Amazon Prime Video テイクワン賞にて正式出品。
初長編・修了制作『タブル・ライフ』で2022年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭国内長編部門にて最優秀作品賞を受賞し、同年第35回東京国際映画祭特別招待、タリンブラックナイト映画祭の「First Feature Competition」部門正式出品。
コメント
『ダブル・ライフ』は立教大学大学院の修了制作であると同時に、私自身にとって「悲願の長編デビュー作」でもあります。物語の基盤、テーマにおいてヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』の影響を強く受けており、同作の漂った不気味さ、虚しさ、現実との乖離を感じとれて、不思議な共感を覚えました。
「レンタル人間」「二重生活」「ふれあい」というテーマの掘り下げは、自分自身をもっとさらけ出したいという、私自身の潜在的欲求に基づいています。北京でも日本でも、心に穴の空いたまた生活してしまうほどに人の間に隔たりがあります。愛されてほしい、心の穴を埋めてほしい、というひとは主人公の詩織だけではなく、私自身であり、あなた自身でもあるかもしれません。
この度、2年越しに劇場公開が叶い、感無量です。この作品はわたしの映画作りの原点であり、今もエネルギーをもらっています。
「埋めない穴」を持っている役も自分も、他者と触れ合い、そして、満たしてもらう。『ダブル・ライフ』を通じて、皆さんとの触れ合いが生まれることを心から望んでいます。ぜひ劇場で観ていただきたいと思います。よろしくお願いします。